パターン変数について

パターン変数とは、行為者がどういう状況においても直面する根本的なジレンマを定義したものだとされる。このようなジレンマは4組ある。
?個別主義―普遍主義
一般的な基準に基づいて人を判断するか(普遍主義)、あるいはその人に固有の基準で判断するか(個別主義)、行為者は決定しなければならない。
?業績―属性
相手が何をなすかによって人を判断するか(業績)、相手の個人的特質によって判断するか(属性)、行為者は決定しなければならない。
?感情中立性―感情性
行為者は他者と関係を取り結ぶにあたり、感情的関わりを離れて道具的理由に基づいて関係することもできるし(感情中立性)、あるいは感情をまじえた理由に基づいて関係する(感情性)ことも可能である。
?限定性―無限定性
どんな状況であれ行為者は、極めて広い範囲にわたる活動全体にわたって他者と関わるか(無限定性)、あるいは特定の限定された目的に沿ったかかわりだけにするか(限定性)、いずれかを選択しなければならない。
アーバンクロンビー『新しい社会学辞典』P300

自己志向と集合体志向の変数が抜けているのは何故?

パターン変数と呼ばれる5組の二分法的変数、すなわち?感情性と感情中立性、?自己志向と集合体志向 ?個別主義と普遍主義 ?所属本位と業績本位 ?限定性と無限定性、をいう。パターン変数は、相互行為過程に一定の規則性。斉一性をもたらす規範的要素を体系的に分類するための概念図式であり、その規範的要素とは、文化体系においては規範の型、パーソナリティ体系においては欲求性向の型である。